史学研の会則について
- 2024年10月28日
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「時は金なり」とはベンジャミン・フランクリンの言であるが、納期に追われた時には「金銭で時間が買えればよいな。」などと余計な事ばかり考えて反って進まなくなるものである。さて本稿を書いているときの私は正にそんな感じで、原稿を書いては納得が行かず書き直してを繰り返しています。
さて今回は史学研の会則についてご紹介しようと思います。なぜ突然こんな話をするのかというと、11月2日から5日に行われる白門祭の展示で急遽会則の方を展示内容に含めることとなったので、事前に少し触れて置こうと思ったからです。
史学研究会会則は前文と12章77条からなり、運営の方法を中心に史学研の在り方について定めた条文です。現行の会則は2024年に入ってから新規約が採択・修正されたものですが、旧会則である「中央大学史学研究会々則」を参考に作成しています。今回は掻い摘んでいくつか紹介します。
前文
「中央大学史学研究会は新たな千年紀において日々重要性を増す歴史研究を通して自由で民主的な自己の確立をその目的とする。各会員は民主社会の主権者として相互に敬意を払い、自由と平等、そして協調の中で歴史実践を進めていくことを旨とする。あらゆる虚偽や捏造そして学問の目的化を拒絶し、歴史と真実への畏敬と学問の自由に立脚し活動することを強く決意する。我々は自由と平等を保障・促進し歴史学の更なる発展を強く希求する。」
前文は旧会則と同様に史学研の目的と在り方についての宣言であり、内容は旧会則に掲げられた自由で自主的な学術研究の精神と平等の精神を踏襲し、民主社会の主権者としての役割を意識し、歴史学の発展に寄与していく姿勢を示しています。ここには過去の権威主義や無法状態と決別し明確な目的を持ちその達成の為に邁進していく事の意思を込めています。この前文精神を受けて会則によって規定される史学研の運営体制は非常に民主的な物となっています。第7条には多数決と少数意見の尊重を、第19条には人権の無条件の保証を定めています。
史学研の意思決定プロセスは直接民主主義である総会と間接民主主義である代表委員会を併用したものであります。これらは第4章総会、第5章代表委員会にて定められ、総会によって選出された代議士である代表委員が会の運営を行います。当会の重要な決定は全て総会での直接民主主義に委ねられ、その他の事柄については代表委員会が判断を下します。これは会員全員が直ぐに集まることが出来ないという史学研の特性上、民意を出来るだけ反映したうえで円滑かつ迅速に対応を行うための方法であります。会則自体も総会によって修正・変更が可能で既に6月と9月の二度改正が行われました。特に9月改正ではそれに伴って初となる代表委員会選挙が開催され代表委員長と現行の8人の委員が投票によって選出されました。こういった民主的プロセスは単に会運営の上での必要性だけでなく、既に有権者となっている会員諸氏に選挙や民主主義の練習としての機能も期待されています。
史学研には他にも様々な機構が存在し、その内外の各会員の協力と努力によって運営されています。当会の白門祭の展示企画「史学研70周年の歩み―伝統と革新の半世紀―」では、史学研の歴史だけでなくサークルとしての在り方に関しても展示を行っています。11月2日~5日の間に中央大学多摩キャンパスで行いますので興味のある方は是非お気軽にお立ち寄り下さい。
いよいよ寒くなってきましたが皆々様、良き一週間をお過ごしください。
文責:PORCH
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